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暖炉に火をくべて

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音楽、家族のことなどを、時々。

佐野元春&THE COYOTE BAND 2012-2013ウインター・ツアー

2013.2.27付


「ザ・コヨーテバンドは7年前、ここで一曲だけ演奏した…」
元春は振り返った。

あぁ、そうだった。
2006年『星の下路の上ツアー』4月2日の東京国際フォーラム。
アンコールで、元春がザ・コヨーテバンドを紹介したのだった。
まだアッキーもシュンスケくんもいない、フカヌー・高桑くん・小松くんの3人だけのザ・コヨーテバンド。
今思い出しても微笑ましいくらい、ものすごく緊張してガッチガチに演奏していたメンバーの姿を思い出す。
そして今、目の前の雄々しく成長したザ・コヨーテバンドを眺め、「大きくなったわねェ…」なんて、まるで親戚のおばさん気分で感慨に浸る。

私が行ったコヨーテバンドのライブは、
2009年7月の『COYOTE』@赤坂BLITZ
2010年10月の『ソウルボーイへの伝言』@Shibuya O-EAST
2012年6月の『アーリーサマー・ツアー』@Zepp Diver City Tokyo
そして今回の『ウインター・ツアー』@東京国際フォーラム

しょっちゅう会っているとそんなに気づかないけど、お正月くらいにしか会わない親戚の子って、成長をまざまざと感じたりするでしょ?(笑)



<セットリスト>

01 コヨーテのテーマ2013
02 アンジェリーナ
03 スターダスト・キッズ
04 ダウンタウン・ボーイ
05 星の下 路の上
06 夜空の果てまで
07 世界は慈悲を待っている
08 虹をつかむ人
09 ラ・ヴィータ・エ・ベラ
10 ポーラスタア
11 彼女
12 ワイルドハーツ
13 ハートビート
14 コンプリケイション・シェイクダウン
15 99ブルース
16 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
17 約束の橋
18 ロックンロール・ナイト
19 サムディ
20 ヤングブラッズ

アンコール
01 ジュジュ
02 悲しきレイディオ



一曲目から、のびのびとしたコヨーテバンドの演奏に目を見張った。
そして、元春が登場してからのアンジェリーナから連なる元春クラッシックの転がり具合と言ったら!
ジョン・レノン・ステップ(と私が勝手に呼んでいるだけ)も久々に。どうやら元春も、かなりご機嫌のご様子(笑)

ニューアルバムからは4曲演奏された。
アーリーサマー・ツアーで披露された『虹をつかむ人』。あの時はタイトルがまだ(仮)で『虹をつかむまで』だったけど、『まで』が『人』になってより具体的に個々に寄り添う表情を持ったように思う。
「誰も君のブルースを歌ってはくれない」という歌詞にぐっときて、あの時も涙ぐんだけれど、歌詞の内容はもとより、一つの曲が、ライブで歌われていくうちに成熟してきたその姿を目の当たりにして、何とも言えない嬉しさを覚えた。
こんなにもまっすぐに寄り添ってくれる元春の歌う姿を、涙をぬぐうこともせず見つめ続けた。
自分に置き換えて受け止めると同時に、この曲はやはりあの震災で心に傷を負った人々に向けての元春の想いなのだろうなと考えながら。

新曲『ポーラスタア』披露のあとは、「どうかゆっくりと座って聴いてください」タイム(笑)。
元春はピアノの前に座り、新しいアレンジで、クラッシックスを。
この日は『ハートビート』のラストのサックス・ソロの部分を元春がブルースハープで演奏した。このハープ・ソロが素晴らしく、もうため息が出ちゃうほど、うっとりと聴き入ってしまった。
続く『コンプリケイション・シェイクダウン』は、今まで聴いた中で一番ファンキーだったと思う。お隣のwow氏と、ヒップをこっつんこして踊りたいくらい、心底私好みのアレンジだった。

そして『99ブルース』。
シュンスケくんとアッキーがそれぞれのソロでフィーチャーされた。
ブルージーなDr.KyOnの演奏とは違い、シュンスケくんの、若々しく感傷的なプレイ。
アッキーのソロは、この上なくセクシーで、ソロ終わりに両膝をついたときには思わず「きゃぁぁーーー!!」と黄色い声をあげてしまった(笑)。

この夜の元春は、ほんとうにご機嫌に弾けていた。
『ロックンロール・ナイト』のあの咆哮も、広いフォーラムに最高に響き渡った。

『ハートビート』にしろ『約束の橋』にしろ『サムデイ』にしろ、今まで様々なアレンジで演奏されてきたが、今回のザ・コヨーテバンドバージョンでは、「再び立ち上がって歩きはじめる」といった印象に生まれ変わり、それぞれが眩しい輝きを放っていたように思う。これがコヨーテ・バンドの音だ!という自信に充ち溢れていて、最後までワクワクが止まらなかった。

素晴らしい東京の夜!だったな。




最後に。
元春がMCで新しいアルバム(彼は決して「ニューアルバム」と言わずに「新しいアルバム」と言うよね)のタイトル『Zooey』について話した。
多くの人がそうであるように、私はZooeyから、サリンジャーの「フラニーとゾーイー」を連想して、アルバムの内容がどうリンクしてくるのか、発売までに予習をと単行本を熟読中(笑)だ。
しかし、元春はこう言った。
「Zooeyというのは僕の古い友人のあだ名なんだ・・・彼は今はもういないんだけれども・・・」
そうだったんだ・・・何だか胸が詰まった。

そして昨日、ふと目にしたtweetにあった「ZooeyってHAL FROM APOLLO ‘69のzoeのことだったんだ」という一文に、はっとした。

トリビュートアルバム「BORDER」。
HAL FROM APOLLO ‘69は男女二人のユニットで、このアルバムで「Sunday Morning Blue」をカバーしている。
以前このアルバムの参加ミュージシャンたちのことを調べていて、HAL FROM APOLLO ‘69の男性の名がzoeで、35歳の若さで亡くなっていたことを知った。
その時はzoeをどう発音するのかわからなかったのだが、「ゾーイー」だったんだ。

もし新しいアルバムタイトルがzoeのことを指しているのなら、元春らしいエピソードだな、と思う。そして、そのことを考えると、曲や詩も少し違って聴こえてくるような気がする。


新作「Zooey」
ほかにどんな曲が詰まっているのか。
通して聴いたらどんな想いが廻るのか。
本当に楽しみです。
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by caorena | 2013-03-16 23:36 | 音楽 | Comments(0)