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暖炉に火をくべて

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音楽、家族のことなどを、時々。

受け継がれるもの~トーキョー・シックを聴いて

ということで、元春のビッグバンド&雪村いづみとのパフォーマンスが楽しいアルバム『トーキョー・シック』。

最初に元春が雪村いづみと共演!と聞いたときには、そのつながりがまったくわからなかった。元春の音楽的ルーツの中に、雪村いづみさんがいるようには思えなかったからだ。

その後二人の共演のきっかけが、雪村さんが元春のことが大好きでラヴレターを送ったことだと聞いても、それだけでここまでのプロジェクトになるのかと驚いた。
しかし、元春レディオショー等で雪村さんの音楽活動の歴史を知るに付け、元春がリスペクトするのは理解できたし、まだまだ現役で歌い続けているプロとしての姿勢には元春ならずとも感銘を受けるところだ。元春が何かしら相通じる物を感じたんだろうなと納得した。d0306695_116621.jpg
『トーキョー・シック』ブックレットの冒頭には、「このレコードを両親に捧げる」という元春の言葉が記されている。また、元春自身によるライナーノーツには、元春のご両親が若かりし頃、新橋のダンスホールでよく踊っていて、雪村いづみは当時そのダンスホールの専属歌手だったから、おそらく雪村いづみの歌に合わせてご両親は踊っていたのではないか、ということが書かれてある。

元春のご両親と雪村さんが同時代に音楽を共有していたことを考えると、それから長い時を経て実現した、おそらくそれまで元春とは全く違う音楽畑での活動をしてきた雪村さんと元春の共演は、ご両親から受け継がれた元春の音楽的ルーツが引き寄せたものなのではないか。
きっかけが雪村さんからのラヴレターだったとしても、偶然のつながりではなく、元春が生まれる前、ご両親がダンスホールに通っていた時にすでに約束されていたことなのではないかと思えてならないのだ。d0306695_192665.jpg
元春は、早くに家を出てしまったそうなので、ご両親とリアルタイムで音楽を共有したことはあまりないかもしれない。
でも、元春のお母様はジャズ喫茶を経営されていたそうだし、元春が生まれてまもない頃、お母様に抱かれてそのジャズ喫茶に行った時に出迎えてくれた音楽が、お母様が大ファンだったエルビス・プレスリーの曲だった、という逸話もある。元春が幼い頃にご両親が聴いていた音楽の影響は、きっと受けていると思う。

ブックレットの写真を見て、元春のご両親がダンスホールで踊っている様子を想像してみる。
ご両親の写真をブックレットに載せるというような、珍しくとても私的な色合いが濃くなっているのも、元春が雪村さんと一緒に音楽を演ることで、ご両親が若い頃楽しんでいた音楽を過去に遡って体現しているからなのかもしれない。

さて、我が家の音楽事情。
私の両親は、おかげさまでまだ健在。
私は、両親が聴いてきたミュージシャンとのコラボなんてもちろんできないが、両親が持っているLPやカセットテープを手にし、聴くことによって、両親が若かった頃の時代に思いを馳せることはできる。(元春の両親のように、私の両親も、レコードに合わせてダンスを踊っていたようだ。ダンスホールではなく、自宅でだったらしいが)

家では、祖母が同居していたこともあり、古賀メロディーや演歌もよく耳にしていた。
今でも結構歌える古賀メロディー(笑)
祖母が細い高い声で口ずさんでいた昭和一桁のころからの流行歌も耳に残っている。

母がよくかけていたレコードは、ドリス・デイやパティ・ペイジ、パット・ブーンやアンディ・ウイリアムス、プラターズなどの洋楽ヴォーカル系。カーペンターズもよく聴いていた。d0306695_110397.jpg邦楽は、加藤登紀子や、雪村さん属する三人娘のレコードなど。
ポール・モーリアやビリー・ヴォーン、リチャード・クレイダーマン、ニニ・ロッソなどのインストも。
(後に、その一部のレコードは、音楽には全く興味がないように見えた父親のものだったことを知る 

思い返せばこんなふうに、家にはいつでも音楽があった。
私の音楽好きは、両親や祖母から受け継いだものだと思う。
それを私の家庭でもそうしようとか、子どもにも引き継ごうとか、意識したことはない。おそらく母や祖母もそうだったろう。
でも、うちの子どもたちは揃ってやはり音楽が大好きだ。

うちの子どもたちは3人とも私のお腹にいるときから元春の音楽を聴いている。
レコード、CD、ラジオ。 生(ライブ)でも聴いている。
もちろん、私たち夫婦が好きなそのほかの音楽や、童謡・おかあさんといっしょ・トラや帽子店など幼い頃に自分たちの音楽として聴いてきたものもたくさん。

子どもたちは成長とともに、それぞれが自分の好きな音楽を見つけ、聴くようになった。
でも嬉しいことに、子どもたち、特に長女は、元春の音楽をとても好きでいてくれる。
次女もそれなりに(笑)元春を受け止めている。
長男に至っては、こちらをお読みくださいw  

私や旦那が若い頃に聴いていた音楽は、私たちにとっては「懐かしい」という感じがするけれど、子どもたちにとっては成長とともに常にそばにあった(ある)音楽ということになり、まして元春は、まだまだカッコよく精力的に活動中、リアルタイムに共有しているという感覚のようだ。 
そう考えると、それらの音楽を子どもたちが将来「パパやママが若い頃に聴いていた音楽」という意識で振り返ることはあまりないかもしれない。
でもおそらく、「パパやママから教えてもらった音楽」として子どもたちの中に息づいていくのは間違いないと思う。

元春が、U-18全額キャッシュバックをしたあのライブの時に言っていた言葉を思い出した。
あの時は、バンドの遍歴を指して言ったのだと思うけれど、今はこの言葉を、音楽になぞらえさせてください。

「すべての物事は受け継がれていくんだ」

とてもとても私的なことから始まったこのプロジェクト。
パッケージとして私たちに共有させてくれたことで、私も自分の音楽的ルーツを振り返り、受け継がれていく、ということを考える機会をもてたよ。

どうもありがとう、元春!
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by caorena | 2014-02-25 08:00 | 音楽 | Comments(0)